先日、職場であった話です。
上司は2年前に今のポジションに昇進。
その時、前任者から引き継いだ仕事の中に、
「PCから毎月あるデータを保存する」
というものがあったそうです。専用のUSBメモリも渡されました。
それから毎月、せっせとデータを保存すること2年。
でも、そのUSBメモリは誰に渡すこともなく、上司が手もとに持っているだけ。
先日、保存がうまく行かなかった時に、本社の管理部門にそれを報告するついでに
「ところで、これは何に使うデータでしょう?」
と上司がたずねたところ、今はもう不要のデータだったのだそうです。
(管理担当者曰く、「おそらく、その時1回だけ必要なデータだったのでは?」とのことでした)
上司のガッカリぶりは、はた目に見てもわかるほどでした。
――それを聞いて、思い出したエピソード。
※出典が不明なので、記憶で書きます。本で何度か目にしたことがあるので、有名な話だと思います。
ある女の子が、母親からその家に伝わる料理を習いました。
ハムをまるごと使うその料理、途中に「両端をカットする」という手順があります。
女の子は不思議に思い、
「なぜハムの両端を切るの?」
とたずねました。
すると、お母さんは「そう習ったからよ」としか教えてくれませんでした。
理由を知りたかった女の子は、親戚にたずねました。
何人にも聞きましたが、みんな
「そう聞いたから」
「昔からそうしているから」
と同じような答。
最後に、女の子はおばあちゃんにたずねました。
すると、おばあちゃんはこう言ったそうです。
「その時使っていたお鍋にハムが入らなかったからだよ」
つまり、お鍋が大きければ、ハムをカットする必要はなかったんですね。
伝言ゲームのように引き継がれていくうち、いつの間にかムダな作業になっているかもしれません。
元マッキンゼーの伊賀泰代さんは、年に1度やらない仕事を決めるだけでも、生産性は上がると書いています。
book.yasuko659.com
今回のことを見ていて、
「自分も同じことをしているかも?」
と怖くなりました。
何となく習慣で続けている仕事、惰性でしている仕事、棚卸して見直すだけでも、時間が増やせると思います。
「何でこの仕事してるんだっけ?」と思ったら見直すチャンス。